水色へのこだわり
みなさんは「何色のお茶をお飲みになっていらっしゃいますか。
お茶の色って、何色かご存知でしょうか。
もちろん、お茶の色は「お茶色」です。
お茶は、種類や淹れ方によって、「色合い」が微妙に異なります。
色鮮やかなお茶の色は、私たちの心を和ませてくれます。

※お茶の色合いのことを「水色:すいしょく」と呼びます。
* お茶のこと「いろいろ」
茶園に、寒冷紗(かんれいしゃ)や藁(わら)で覆い、被覆(ひふく)をかけられた茶園を、覆下園(おおいしたえん)と言います。

高級な玉露は、葦簾(よしず)や藁で茶園に覆いをかけられます。
こうして作られたお茶は、覆香(おおいか)と呼ばれる、海苔のような香りが特徴となり、旨味成分が多く含まれたお茶を楽しむことができます。

「何も覆いをしない茶園」のことを、露天園(ろてんえん)と言います。

緑茶は、摘菜された(摘まれた)後、「蒸し機」と言う機械を通ります。
摘まれたお茶の葉が、酸化(発酵)し、傷んでいくのを防ぐためです。
蒸しの時間が短い(20〜30秒程の)お茶を「浅蒸し」。
それより、長く「蒸し機」を通るお茶を「深蒸し」といいます。
※お茶工場により、この長さは異なります。

お茶の加工方法に「火入れ」と言う工程があります。
元々はお茶の「保存を高める為」でしたが、近年は「茶葉の香り付け」にも様々な加工方法が使われます。

お茶には、「玉露」や「煎茶」、また「出物(でもの)」と呼ばれる「かりがね」「粉茶」「芽茶」など、茶種と呼ばれる分け方があります。

「玉露」や「冠茶(かぶせちゃ)」は「覆い下茶園」で栽培され、「煎茶」は「露天園」で栽培されます。
「出物」は、茶葉の選別(より分ける)作業の過程で出来るお茶のことです。

茶種を問わず、色合いを分類すると「みどり色」あるいは「き色」になります。

さらにその色合いは「薄さ」「濃さ」「透明感」や「濁り具合」などによって、様々な水色となり、私たちの目に映ります。
* 「茶色」のお茶
ほうじ茶などの、お茶の色合いです。
濃い茶色になると、やや渋みがありますが、薄いと物足りなく感じます。

薄く、淡い色合いなのに「香り高くコクのある」風味は、「茶葉と炒り具合」の絶妙なバランスの「たまもの」です。
濃い色合なのに、「香りもなく味気ない風味」は、材料にほうじ粉(ほうじ茶の粉茶)等を利用したお茶に多く見られます。

※急須で美味しく飲むには
ひとつまみのお茶にお湯を入れ、30秒程度で「素早く」お湯のみへ!

琥珀色の暖かいお茶は、体も心もホッコリです。
夏季には、冷蔵庫で冷やして飲めば爽快です。
夏場の水分補給に、勝るものはないかもしれません。

※紅茶やウーロン茶も「ほうじ茶」と同じような水色です。
 見た目では分からないのはチョット「ふしぎ」です。
* 濃い「黄緑色」のお茶
濃い黄緑色 「深蒸し」で「火入れの強い」お茶を淹れると、濃い「黄緑色」になります。
「煎茶」は、露天園で太陽光をイッパイ浴びて育てられたお茶です。
茶葉に「カテキン」などの成分も多く含まれます。
さらに「火入れ」という工程で、絶妙な「香ばしさ」が加味されます。
特に「遠赤外線加工」が施されたものは「甘味と香ばしさを」楽しめます。

美味しく飲むには、お茶を入れる、お湯の「適温」を知る必要があります。
熱いお湯で入れると、「渋味」や「苦味」のある風味となりますが、やや湯冷ましをすると、さっぱりした「甘味と香り」が楽しめます。

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* 「緑色」のお茶
緑色 茶園に覆いをされることで、茶葉は光合成を活性化し、旨み成分のテアニンを蓄えようとします。茶葉は、「より青みがかった色合いに」生育します。
※覆いをされる日数は、玉露より短く日数の加減で様々な煎茶が生まれます。

「覆い下茶園」で栽培され、製法に「深むし製法」が合わせられることで、「煎茶」は、鮮やかな「緑色」で「旨味成分」を含んだお茶になります。

お茶を入れるのに、お湯の温度をさほど気にせずに入れることもできますが、湯冷ましをし、30〜60秒程度で入れてあげると、その風味は格段にアップします。現在日本で一番多く出回っているお茶がこの種類のお茶でしょう。

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* 薄い「黄緑色」のお茶
薄い黄緑色 「煎茶」の「浅蒸しのお茶」を淹れると「薄い黄緑色」のお茶になります。
透明感のある、「黄緑色」は、新茶のような香り高いお茶です。

熱いお湯で入れると「渋味」「苦味」のある、風味となりますが、やや湯冷ましをすると、とてもさっぱりした風味が楽しめます。お湯の温度を変えて入れることで、色々な味わいを楽しめるかもしれません。

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* 「青く薄い緑色」のお茶
青く薄い緑色 「玉露」や「冠茶」が、このような色合いとなります。
覆い下茶園で「旨味成分をたっぷり含んだ茶葉」には、薄い色合いなのに「旨みと香り」があり、「滋味(じみ)」という表現が当てはまるかもしれません。
※美味しく入れるのは「玉露の美味しい楽しみ方へ」

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* 「薄い青緑色」のお茶
薄い青緑色 限りなくうすく、たよりなく感じるほどの青緑色のお茶「玉露」。
色合いからは、思いもかけない「まろやかな旨み」のあるお茶です。
香りは「覆い香」と呼ばれる「玉露」特有の香りがします。

近畿中部、山城エリアにて栽培された、「宇治玉露」と呼べるお茶です。
山城エリアは広く、産地の差により、風味は「正に微妙に」異なります。
50度程の低温で淹れると、その美味しさは文字通り「玉の露」です。
※美味しく入れるのは「玉露の美味しい楽しみ方へ」

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* 玉露の美味しい楽しみ方
「玉露」を美味しく楽しむポイントは「湯温を下げ、じっくり淹れる」ことです。

季節に応じた湯冷ましを2〜3回行います。
急須や湯呑に、お湯を注ぎ「湯冷まし」と「器の温め」を同時に行います。
「湯冷ましをしている器に手を添え、熱くない程度まで」さまします。
お茶の分量は1人分3g〜4g程。ティースプーンで大盛り1杯くらい。
急須にタップリ茶葉をいれ、お湯(40cc程度)を静かに注ぎ入れます。

お茶入れるタイミングは、急須がおしえてくれます。
蓋をした急須に手を添えていると…
急須の底の暖かさが、蓋まで伝わってくるのを感じることができます。

この「ころあい」が、お茶を入れる絶妙なタイミングです。
急須は「お茶を入れるタイミング」をおしえてくれます。
蓋を開けると、茶葉は「ふんわり」ふくらんできて「目と手のひら」の両方でお茶を入れるタイミングを、知ることができます。
緑茶、いろいろ、未来色!
現在のように、急須を使い家庭で緑茶が飲まれるようになってくるのは近代(大正〜昭和初期:諸説有ります)に入ってからです。
それ以前のお茶は、「茶色」でした。
その後、「黄色」から「緑色」へ、「より鮮やかな緑色」へと、年代とともに、変化してきました。

残念ながら今日は、コンビニなどで、すぐに手に入る「出来上がった飲料としてのお茶」に満ちあふれています。
パッケージに覆われ、色合いを楽しむことも、ままなりません。

多忙な日常の中に「色を愛でる楽しみ」を、「緑茶の、味わい、美しさ」を感じて頂ければ幸いです。
先人の、また現在の茶業に携われる方々の苦労により、培われた「緑茶の美しさ」を、これからも伝承していきたいと思います。

※日本茶の全てが上記記述の色分けに当てはまるものでは有りません。